ふるさと
故郷にはたまにしか帰れないけど、やはりほっとする場所である。
私はあまり故郷が好きではなかった。
都会でもなく田舎でもなく中途半端。
いつも都会に憧れていた。
両親ともさほど仲も良くなく、いや、仲が悪かったから、はやくここから出ていきたいと思っていた。
進学で上京し故郷からはなれ、就職時に再度静岡に戻るも、結婚で福岡へ嫁いだ。
なかなかまとまって帰ることができず、たまに帰ると少し小さくなってる両親を目の当たりする。
色々あって、30も過ぎてからやっとちゃんと話せるようになった。(話さないといけないことができたから)
今までは仲が良くなかったから、助けを求めたり、弱いところを見せたりしまい、とムキになっていたけど。
やっと助けて欲しい、って言えた。
こんな駄目な私をおおきなおおきな愛で受け止めてくれた。ハッとした。
仲良くなかった、ってどうして思っていたのかな。どうしてあまのじゃくになっていたのかな。
幼少期からずっと苦しかったけど、沢山話せて胸に支えていたモヤっとした感覚から解放された気がした。
今になって、子育てしていた頃の両親は本当に大変だったのかもしれない、って思う。
仕事や家庭への責任、ってのが本当に大きかったんだろう。介護もあったし。
今よりずっと怖い顔してたな。
厳しかったし、何でもない会話もできなかった。夫婦仲も、よくなかったと思う。
でも大変だっただろうに、よくキャンプに連れて行ってくれた。ディズニーランドにも。水族館、動物園も行ったなあ〜。海にも山にも行った。
休みたいだろうに、寝たかったろうに。
してもらえなかったこと、ばかり思い出してしまって、してもらったことを忘れていた。
駄目な娘だ。
最寄りの駅から実家までは凄く近いのだけど、帰省の時は未だに両親揃って駅まで迎えに来てくれる。(迎えはいいけど、送る時も2人で来るから、後ろ髪引かれるんだよなあ)
ぼけますからよろしくお願いします。
っていうドキュメンタリーをみて両親と故郷を思い出しての記録。